「正しい本」を作るか。
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過去記事
第1回 「が、がんですか?」精密検査を受けました
第2回 日本には、病気を予防することで対価が生まれる仕組みがない
第3回 「類書が売れていない。需要がないのでは?」企画会議は戦場
予防医学は「1次予防」「2次予防」「3次予防」の3つに分けられます。
1次予防は「病気にならない」。
「がんのリスクを上げる」というエビデンスが出ている食材を控えたり、寿命が延びる生活習慣を徹底したりと、病気になる可能性を下げることを1次予防といいます。ワクチン接種もこの1次予防です。
「がんのリスクを上げる」というエビデンスが出ている食材を控えたり、寿命が延びる生活習慣を徹底したりと、病気になる可能性を下げることを1次予防といいます。ワクチン接種もこの1次予防です。
2次予防は「病気の早期発見」。
・健康診断で「異常」を指摘されたらすぐ対応する
・がん検診を受け、早期発見に努める
これらが2次予防にあたります。
3次予防は「病気の再発予防やリハビリ」。
がん、糖尿病、脳梗塞といった大病で体の機能が落ちたとき、元の状態に少しでも近づけるリハビリも予防医学に入ります。
がん、糖尿病、脳梗塞といった大病で体の機能が落ちたとき、元の状態に少しでも近づけるリハビリも予防医学に入ります。
「読みたい本」か「正しい本」か
「予防医学を体系的に学ぶ本」を作るなら、1次予防、2次予防、3次予防を順に紹介する形が妥当です。例えば、こんなイメージ。
第1章 健康習慣・食事
第2章 病気(がん、糖尿病etc)を早期発見する方法
第3章 再発防止とリハビリ
ただ、自分がこの企画を立てたのは「人間ドックに引っかかり、精密検査を受ける」という痛みを伴う出来事があったから。それがなければ、健康にここまで関心を持つこともなかった。また、
・「自分は健康」と思っていたが、人間ドックで再検査(精密検査)を受けた人
・親や身近な人が大病を患い、介護の問題が急浮上してきた人
・ある日突然、気になる症状があらわれた人
こうした40~60歳の読者に上記の目次が刺さるのかと悩みました。
そこで著者の森さんと議論を重ね、さまざまな目次を作り、最終的には、
そこで著者の森さんと議論を重ね、さまざまな目次を作り、最終的には、
第1章 人生100年時代の健康戦略(導入)
第2章 血液、尿、臓器のサインを見逃すな!(一次予防+二次予防)
第3章 がんの予防・早期発見に効く新常識(一次予防+二次予防)
第4章 健康寿命を延ばす最強の食事術(一次予防)
第5章 病気を遠ざける科学的な生活習慣(一次予防)
第6章 太く長く生きるためのメンタルケア(一次予防+二次予防。森さんの産業医としての経験を活かす)
第7章 病気になってからの予防医学(三次予防)
この章構成が完成しました。そこから先はとんとん拍子に話が進みました。
編集者として100冊近い本を作ってきましたが、「健康」ジャンルの本を作るのは初めてです。初めてだからこそ、わからないこと、苦しむこと、悩むことがありました。
しかし、初めてだからこそ、勉強になること、面白いこと、新鮮なこともたくさんありました。
本書『40歳からの予防医学』は、著者の森さんにとって「処女作」になります。おおげさな話ではなく、「処女作」は著者の人生を変えます。この1冊がどれだけ重く、そして価値があるか、骨身にしみて理解しているつもりです。
だから一生懸命作りました。
「予防医学なんて売れない。誰が買うんだ!」で心が折れそうでした。でも、その声があったからこそ、改善できたこともありました。
予防医学の重要性・社会的意義が、1人でも多くの人に届くよう知恵を絞りました。森さんとも何度も何度も何度も議論を重ねました。
「この本を読んだおかげで、大きな病気もなく、幸せな人生を過ごすことができた」
そんな人が1人でも増えることを願っております。
本書の制作を支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
そんな人が1人でも増えることを願っております。
本書の制作を支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。