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今日はYさんの話をします。

Yさんは新聞記者として20年近く働いたのち、作家として独立された方です。

売れっ子作家だったYさんに本をご執筆いただき、その本は10万部に迫るベストセラーになりました。

そんなYさんとの忘れられない会話があります。

「君はこれから、どんな編集者になりたい?」
「売れる本をもっと作りたいです。世の中をあっと言わすような本を作りたいです」

「売れる本ね。部数は?」
「そうですね。やっぱり10万部が1つの目標です」

「10万部なんかで満足しちゃダメだよ」
「えっ? ダメですか?(10万部ってすごいことだと思うんだけど)」

「君が10万部の本を作ったとしよう。で、この渋谷の街中で、『この本、知ってますか?』と聞いて、何人の人間が手をあげると思う?」
「…………」

「”出版”という業界の”ビジネス書”という領域においては、10万部はすごい数字だと思うよ」
「はい」

「それに満足してちゃダメだ。本によっては100万部でも怪しいかもね。200万部、300万部。いやいや、もっと売るべきだ。そうなって初めて、みんなが知ってる本になる。世の中を動かす本を作りたいなら、これぐらいの部数を目指さないと」
「そうですね。10万部はすごいかもしれませんが、それをゴールにしたら、そこでとまってしまいますね」

「これからどんどん世の中も変わる。狭い世界にいたら、狭い発想しか出なくなる。視座を広く持ったほうがいい」
「はい」

「新しいこと、一見ムダに見えることをどんどんやったほうがいい。それは仕事に必ず活きるし、楽しいし、面白いと思う」

振り返ってみると、私の場合、大きく売れた本はすべて、

・もともとそのジャンル(著者)に興味はなかった
・ひょんなことから、そのジャンル(著者)と出合う
・話を聞いてみると、すごく面白く、深く感動した
・自分の感動を忠実に本にしたら、売れた

という形でした。

自分の”守備範囲”を離れて作った本が売れているのです。

実は、Yさんとこの話をしたのは、もう3年以上前です。

「狭い世界に生きるな。固定観念にとらわれるな」というYさんの言葉は、年月を経るごとにずっしりと、重くのしかかってきます。

もっともっと視座を高く持って、広い世界に目を向けようと改めて思いました。