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「今の日本では、個人個人を病気にさせないことで対価が発生するしくみが機能していません。だからこそ、1人でも多くの人に正しい医療情報を届けるべく、YouTubeでの発信しています」

この言葉を聞いて、「この人と本を作りたい」と思いました。

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予防医学chの動画を見て、さっそく森さんに連絡。「お話を聞かせてください」と返信がきたので、zoomで面談。

当時、森さんは株式会社リコーの専属産業医として、「会社の健康プログラムの構成」「労災防止を目的とした作業環境の改善」などをされていました。

自分の近況を話しつつ、「人間ドックは検査結果が送られてくるだけで、結局どうしたらいいかがよくわかりません。問診もありますが、すごくざっくりした説明のあとに『経過観察』と言われ、ほんとに1年後でいいのと不安になりました」と、思いのたけをお伝えしました。
※私の尿潜血の精密検査は「異常なし」でした。よかった、、、。

その後、話は森さんの経歴にうつり、

・なぜ大学病院を辞めたのか? なぜ安定を捨てたのか?(愛知県の藤田医科大学病院の救急総合内科にて勤務)
・どうして予防医学をテーマに発信しているのか?

これらを尋ねました。それに対し、次のような答えが返ってきました。

“現代は医学情報があまりにも多すぎます。残念ながら、「正しい情報」と「でたらめな情報」がごった煮になっています。かつて私が勤務していた大学病院の救急現場でも、

・スポーツドリンクやエナジードリンクを飲みすぎて、重篤な糖尿病になった人

・心不全の初期症状を放置した結果、肺に水がたまってしまい、すぐに人工呼吸器をつけなければ死に至ってしまう状態で救急搬送されてきた人

・がん検診を受けず、根拠のない民間療法に頼り、「急な体重減少」や「血便」といった症状を放置して、末期がんの状態で来院される人

病院の「外」でできることをしなかったがために、人生が大きく変わってしまった人をたくさん見てきました。

「病院の外で、やるべきことがあるのではないか?」

「病気になってからの」病院へのアクセスのしやすさや、国民皆保険制度による医療費負担の軽減など、日本の医療制度は世界トップクラスです。しかし、「病気になる前の」予防医学のアプローチは十分にできているといえず、課題が多いです。

残念なことに、今の日本では、個人個人を病気にさせないことで対価が発生するしくみがうまく機能していません。だからこそ、1人でも多くの人に正しい医療情報を届けるべく、発信内容にこだわり、表現を工夫し続けてきました“

この話を聞いて、「この人は自分の軸をもっている。大学病院という安定を捨て、行動に出て、そして結果を残している。すごい人だ。この人と本を作りたい」と思いました。

しかし、そこに立ちはだかったのが企画会議(類書)の壁です。